恋と上司の甘い相関関係
「私が拓海のことを好きだって気付いた父が、卑怯な手を使って婚約させたことは知ってたわ。

…それでもいいと思った。どんな形でも、私は拓海の傍にいられるならそれでよかったから」



『そのくらい、愛してたのよ』

そう言って悲しげに笑う結城さんの想いは、
あたしなんかとは比べ物にならないくらい強いのだと、改めて思った。



「…だけど、やっぱり拓海は私に振り向いてはくれなかった。
色仕掛けなんかしたってキスはおろか、私に触れることさえしない。

何をしてもダメで、自棄になって…
いつの間にか嫉妬に狂う醜い女になってたわ」


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