恋と上司の甘い相関関係
愛する人に、ただ想われたくて

でもどうしたらいいか分からなくなって──

彼女なりに必死だったんだ。


その愛情の表し方が、少し不器用だっただけなんだと思う。



「ごめ、んね…相川さん…
ごめんなさい…!」



肩を震わせて謝る結城さんの背中を、あたしはしばらく撫で続けていた。




落ち着いてから、あたし達は色々な話をした。

今までのわだかまりが嘘のように、お互い笑い合いながら。



そこで聞いた話によると、結城さんがお父様を説得してくれたらしく、ニューメリーとの契約は今まで通り続けてくれるらしい。


婚約も白紙になり、食材の価格も通常に戻すことになったそうだ。


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