恋と上司の甘い相関関係
あたしの髪に顔を埋める拓海さんを見上げようとして、抱きしめられた腕の中で体を捻ると


一瞬のうちに唇を塞がれた。


優しい優しいキスをして、照れながらも向かい合う。



「…雅が調理部で働いてる時から、お前を見ると元気になれた」


「え……?」



あたしの涙を拭って、その手で頬を優しく包む。



「お前の澄んだ目を見てると、何か大事なことを思い出させてくれるような気がして…

お前に会ってからほんの少し変われた気がするんだ」



…そんなこと初めて言われた。


あたしが大好きな人の元気の源になれてたなんて──

こんなに嬉しいことはないよ。


< 350 / 371 >

この作品をシェア

pagetop