恋と上司の甘い相関関係
怒りの矛先があたしに向いていることに気付いて、心臓の音がドクンと重く響き始める。



「アレルギー対応のスイーツなんて手間も材料費もかかるし、第一利益が得られるとは思えないわ」



結城さんは不安要素をずらりと並べていく。

それはあたしも懸念していたことと同じだった。


やっぱり反対する人はいるよね…。


はぁ…と息を吐き出すと、俯いて壁に寄り掛かった。


すると──



「確かに結城の言う通りだよ」


落ち着いた声が聞こえてきて、あたしは反射的に顔を上げた。



「相川の案はまだまだ煮詰めていかなきゃいけない」


この声…澤村部長──?



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