僕は君を抱きしめることができない
それから彼女とボクは家族になった。





家に連れていってもらい暮らし始めた。





そして、彼女には一人の子供がいた。





ボクより一歳年上の子でその子はボクの"義兄"になった。





その兄とは折り合いが悪くいつもケンカばかりしていたが、幸せにくらしていた。





仲が悪かったボクらも、少しずつ信頼関係が生まれて兄妹になれた





(あとからわかったことだけど兄さんはどうやらボクのことを男だと思っていたらしい)





だけどこんな幸せな時間は意図も簡単に崩れ去った。





彼女が再婚したのだ





相手は大手株式会社の社長。





政略結婚だった





ボクはその男の人と上手く関係を築くことができなかった。





男の子じゃなかったから





それからボクは父と上手くいかないままボクは大きくなった。





そしてある日、兄が消えた。





消息不明…………





生きているのか死んでしまったのかもわからない。





ただただ、





無事を祈って帰りをまつだけだ。





そして今、ボクは彼を見つけるためにここにきている。





彼を見つけるためならずっと―――探し求めるだろう。




< 20 / 41 >

この作品をシェア

pagetop