僕は君を抱きしめることができない
「春に、亡くなったのか」






純さんはやっぱりという表情で言う。






「…話がズレてしまったね。この話はまた後日話そうか」






そう言うとまた理事長の顔に戻る。






「君には今日から寮にすんでもらうよ」






へっ…………?






「寮ですか?」






「ん、そうだよ。実はこの学園、寮にすまないといけないんだよね」






「そうなんですか……」






そうか、寮にすまないといけないのか…






ん……?






寮!!?






「や、やばいじゃないですか!ボクのことバレちゃう!」






そうなったら、もうすべて終わりだ!






「あー、そのことなら安心して!」






いつもより輝いている笑みを浮かべる純さん。






よかった。きっと何かとてもいい対策が…






「君の部屋は美月(ミズキ)くんと一緒だからさ!」






「そうなんですか…!よかったで…」






美…月…?






それって兄さんのことじゃないか!






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