女豹と秋桜
仕事がおわった僕は休憩室でコーヒーをのんだ。

そこへ、着替えを済ませた櫻井が手を振った。



「宮下さん、外で待ってるっておっしゃってました。」

櫻井はそういうと微笑んだ。

宮下とは拓也のこと。

「そっか。行こうか。」

僕はコーヒーの紙コップをゴミ箱へ捨て、立ち上がった。




「あ、南さん、ちょっと。」

そういうと、櫻井は僕の背中に触れた。

「ゴミ、ついてました」

糸くずをつまんでいた。

こういうことが出来る櫻井は気が付くいい子だと思う。
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