女豹と秋桜
顔を洗った僕は、ソファに座り、テレビをつけた。
朝のニュースは必ず見る。
しばらくして、菜々がバスルームから出てきて僕の隣に座った。
あ、いい匂い。
昨日と同じ甘い桃の香りがする。
「コーヒー、いれますね。」
菜々は立ち上がりキッチンへ行った。
その後ろ姿を見て思う。
菜々はあんなに色っぽい女だっただろうか?
いつだって明るくてみんなに笑顔を見せられる子だとは思っていたが。
やがて菜々はコーヒーの入ったマグカップを僕に手渡した。
「菜々、剃刀持ってる?」
「ありますよ。髭ですか?」
そういうと菜々は僕に剃刀を持ってきてくれた。