女豹と秋桜
今日は菜々の家に来ていた。


またテーブルの上には美味しそうなご飯が並んでいた。


「今日はね、中華にしてみたの」

菜々は楽しそうに言う。


菜々が料理をしている時の横顔は僕はすごく好きだ。



その時、僕の携帯がなった。


着信ー英里


出ないと怪しまれる。

今日は後輩と食事に行くと言ってある。(後輩と食事には変わりないが)


出ようか迷っていると菜々は、

「奥さんから?」

「ああ。」

「出ないと怪しまれるでしょう?出て差し上げて?」



菜々は淋しそうに微笑んで、鍋の火を止めて寝室に入った。



僕は通話ボタンを押す。


ー浩樹??ごめんね。今ね、うちのお父さんが浩樹と飲みたいってビール持ってうちに来てて、もし早く帰ってこれそうなら、お父さん待つって言うんだけど。ー

「早めに帰るようにするよ。」


僕はそう答え電話を切った。


英里はまた何かに気付いてしまったのかもしれない。
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