Say love 【短編】
ぎゅっと、私の手を握る手の力が強まる。
痛いくらいに。
「‥‥わかってる。ひなはやさしいから、断れなくて俺と付き合ってくれてたんだろ?」
ねぇ、どうしてそんなに苦しそうなの?
「いつも、俺ばっかりひなが好きなんだ」
ねぇ、裕也‥‥
「‥‥っ‥」
愛しさが胸につまって、何も言うことができない。
裕也が好きだよ。
裕也だけが好きなの。
大好きなの‥‥
「どうして、ひなが泣くんだよ」
いつのまにか私の目から涙が溢れて。
ただ、愛しくて、
好きすぎて、胸が痛いの。
「‥‥すき‥‥っ‥」
裕也だけだよ――――