Say love 【短編】
「あ‥じゃあ、教室に友達待ってるから、今日は先に帰ってて」


とっさにそう言って、走って自分の教室まで逃げ込む。


もしばれてたらどうしよう‥‥

裕也手作り嫌いなのに実は作ってたなんてばれたら嫌われちゃうかもしれない。


早く捨てちゃわなきゃ‥!


「あれ?ひなそれチョコ?」


「ん、そう‥」


沈んでた私に話しかけてきたのはクラスで仲のいい男友達。


「俺にはくれないのー?」


「‥‥これ、手作りだからやめた方がいいよ」


誰も私の手作りなんて食べたくと思う。


「マジ!?すげーじゃん!」

「‥え?」

「食べていい?」

「うん‥」


どうせ捨てようと思ってたやつだし。


「うわ、うまそー!」


喜んでくれる人がいるなんて思ってなかったから、一生懸命作ったものだし喜んでくれるなんてやっぱり嬉しい。



―――本当に喜んでもらいたい人には食べてもらえなかったけど。



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