Say love 【短編】
包みを開けておいしそうに食べてくれてる。


「ひなマジこれおいしーって!ひなも食べろよ」


いや、これ私が作ったんだから味見したよ。

そう思ったけど、食べることにした。


本当は、裕也に、おいしいって言って欲しかったな‥‥



トリュフを口に放り込んで、もう一粒手に取った。


いつのまにかそれが最後の一粒になっていた。


口に含んだトリュフがじんわりと溶けて甘い味が広がる。

同時に、少ししょっぱい味。


「あれ‥‥」


ぽたりぽたりと涙が頬に伝う。


「‥‥っ、」


やっぱり、裕也に食べて欲しかった。


私ばっかり好きなのかもしれないけど、それでも、好きって気持ち、いっぱい詰め込んで、一生懸命作ったの。


ただ、裕也に喜んで欲しかったの。


「‥‥っく、」

「ひなっ!?」


隣に座ってチョコを食べてた友達がびっくりしてる。

でも、涙が止まらない。

とめなきゃって思うのに、とまらないの。


裕也‥



「どけ」



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