失恋の先にあったもの
「うわー。俺が可愛いって言ったのスルー?」



「それはどうでもいいから。お兄さんは無事だったの?」




私の言葉にケラケラと笑った翔くんは、ハッとした顔をして言った。



「そうそう。兄貴が瑠愛ちゃん先輩にお礼言いたいんだってさ。今から家にちょっときてよ」


「今からはちょっと…」



せっかくだけどもうすぐ9時を廻ってしまう。


「姉貴もいるし、今日は泊まりにきなよ。着替えは姉貴の部屋に置いてるでしょ?」


そう言って「行こ」と言うと、私の手を引っ張って、どんどん歩き始める。



「そんな困った顔しないでよ。明日休みなんだし、良いじゃん」


…そっか、そういえば明日は学校お休みだったよ。


すっかり忘れてた。



「じゃあおじゃましちゃおっかな」


「どうぞどうぞ」






しばらくして翔くんの家に着いた。




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