愛さえ魔術と呼ぶのなら

「ほぅ、、、俺に勝てると?」

「勝つ?いいや、息の根止めるだけさ!!」


あぁ、騒がしい。

凄まじい爆発音と、体が切られる音。地面に血が滴り染み込む様。


なんて、、、










「心地いい」



!!

え?私今なんて言った?

こんなに酷いことが目の前で起きているのに、なぜ。

でも、この感じどこかで、、、違う!!おかしい!これは夢!?


(殺せば良いじゃないか)

、、、誰?

(よもやお前にはその力がある、いや戻ったと言うべきか、私が出てやっても良いぞ)


痛っ!

頭が割れそうに痛む。

誰なのよ!!

(ほれ体を貸せ、お前に危害を加える者は私が殺してやる)


嫌!嫌!嫌!嫌ーー!



モウダレモコロシタクナイ!!



「止めなさーーい!!」

パァンッ!

蛇に馬乗りになっていた男の頬をひっぱたく。
毒で動けなかった筈の体が無意識に走り出していた。
そして男を突き飛ばし蛇男の胸ぐらを掴んだ

「あんた!兄弟がけがしてるでしょ!!助けてあげなさいよ!はいっこれ大事な物なんでしょう」

そう言ってもはや転がっていたさっきの石を渡す。

「、、、うん」

明らかに驚いている。


「おい、女」


振り向くと先ほど突き飛ばした男が仁王立ちしていた。

「お前、よくもこの俺に気安く触ったな」

「う、、、なによ」

殺気だっている。

「殺してくれる!」

「なんでよー!!」

必死に走って逃げるがフラフラする。

それもその筈、頭から血がでているのだ視界がぼやけて逃げるどころではない。

「、、、っ」

ドサッ


ついに倒れ込んでしまった。

しまった!!


「まったく人間というのは虫より脆い、だか大丈夫だ虫よりはよいところに送ってやるぞ」

笑いながら沙羅の腕を掴む。

私がなにしたってのよ!

なんでこんな目にあわなくちゃいけないの!?


「、、、あは、、、あはははははっ」

「何がおかしい」

沙羅は男の長い髪を掴み寄せその唇に自分の唇を重ねた。
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