ヨカナーンの首
ある日。
私は校舎裏で彼の首を切り落とした。
あの4階に忘れられていたチェーンソーが、今になって牙をむくなんて、彼は想像すらしていなかったに違いない。
皆、覚えていやしないのだ。
置きっ放しにした工具も、ささやいた陰口も。
足元の草の緑色の上に、鮮やかな赤がこぼれる。
彼は血の色まで美しかった。
汚れるのは生きているから。
生きていなければ、汚れることもない。
彼の生き様も、高潔さも、汚さなくて済む。
ほらこうすれば、私は何の気がねもせず、彼を見つめることができる。
私は校舎裏で彼の首を切り落とした。
あの4階に忘れられていたチェーンソーが、今になって牙をむくなんて、彼は想像すらしていなかったに違いない。
皆、覚えていやしないのだ。
置きっ放しにした工具も、ささやいた陰口も。
足元の草の緑色の上に、鮮やかな赤がこぼれる。
彼は血の色まで美しかった。
汚れるのは生きているから。
生きていなければ、汚れることもない。
彼の生き様も、高潔さも、汚さなくて済む。
ほらこうすれば、私は何の気がねもせず、彼を見つめることができる。