ヨカナーンの首
4階から先に、階段はない。


階段をのぼりきれば、前方は4階。
右手には途切れた床。

その床にそって、手すりが柵のように行く手をさえぎっていた。


私は林立する壊れた棚のすき間を歩き、その柵の前へしゃがみこんだ。


柵の間から、日光に満ちた3階が見える。

1階まで続く階段が見える。


私は無感動にそれを眺めていた。

カビのにおいと壊れた棚に囲まれて、闇に身を隠しながら。



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