ヨカナーンの首
私は、昼休みのたびに4階へ行った。


彼は、毎日のように生徒会室へやってくる。


私が見たら彼が汚れてしまうから、けっして見ないようにした。


代わりに私は、耳をすませる。

生徒会室から漏れ聞こえる声に。


そうして私は、彼に関していくつかの情報を手に入れた。


彼はきれいな顔をしている。

なめらかな肌をしている。
つややかな黒い髪。
あざやかな唇。


それらは噂にすぎなかったが、私は彼の美しさを確信していた。


『生徒会長に立候補します。
小学生の時は児童会長をしていました』


立候補演説の時もそうだった。

生徒会室から響く彼の声は、とても美しい。



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