Sakukoi…
高校に近づくにつれて
桜が多くなる。
風に吹かれて木が揺れて
桜の花びらが舞い落ちてて
きれいだなーって思った。
「花びらついてるよ」
嘘から声がしたとおもったら、
私が振りかえる前に
後ろから私の頭についた花びらを
優しくとってくれた。
「あ、ありがとう。」
振りかえると、
背が高くてかっこいい男の子が立っていた。
その男の子は桜の花びらを
私に渡してスタスタと歩いていった。
「愛、今の人知り合い?」
「…ううん、初めてみた人。」
「かっこ良かったねー」
「うん。
…あっ!亜梨沙見て!
花びらハートの形してる!」
「本当だ!
恋芽生えちゃうんじゃなーい?」
「もぅ!そんなんじゃないよ!」
私は半分怒りながら言ったけど、
まさかこの出会いが
私の人生を
変えてしまうことになるなんて
すこしも考えていなかったんだ。