「アルバイト」
その後すぐにツクミさんが帰ってきた
「お帰りなさい」
「ただいま♪」
「商品の刀一本売れましたよ」
「そうかそうか♪どの刀が売れたのかな?」
名簿を見せ指差した
「これです」
「……」
ツクミさんは深刻そうな表情になった
「どうかしました?」
「…これを売ってしまったんだね…」
どういう意味?
「えっと…、売っちゃまずいものでしたか?」
「いや、売っても良いんだけど、ちょっと厄介な代物でねぇ…」
「どういう事ですか?」
「ん~、こんな言い方妖怪になったばかりじゃ信じてもらえるかどうか…」
「とりあえず知りたいです」
「わかったよ…、あれはね、あの刀は」
「生きているんだ」
一息溜めて言った
「……」
あたしは目を見開き黙ってしまった
「やっぱり信じてもらえないよね…」
「いえ…、ビックリしただけです、あたしも妖怪になったから幽霊とかもいるんだろうなぁ、とかは考えてましたけど、物が生きてるって言うことは考えてませんでした…」
「なるほどね」
ツクミさんは苦笑した
「でも、あの刀が生きてるってことは買った人が危ないですよね?」
「いやぁ、それが危なくないっていうか危険な物じゃないっていうか…」
「なんなんです?」
ツクミさんの困っている様子が面白おかしかった
「まぁ、事が起こればナオちゃんにも伝えるから、それまでのお預け♪」
急にいつものツクミさんに戻って苦笑した
でもあれは本当に危険じゃ無いのかな…?
まぁ、ツクミさんも後で教えてくれるって言うから待とう