「アルバイト」
1-2
それからあの後はタイキが来た
タイキは居間に直行し、お茶を飲みながらゴロゴロ過ごしていた
お店が終わるとツクミさんの訓練が始まった
タイキも手伝ってくれて、捗ったと思う
ツクミさんは
『まだまだ覚えて貰うことはたくさんあるからね』
と言ってあたしを失望させてくれた
………………
それから数日後
………………
「ハァハァ…!おい!!」
あの刀を買った男性が来た
「どうなさいましたか?」
「どうなさいましたかじゃない!なんだこの刀!!まるで生きてるみたいに毎晩毎晩話しかけて来るような夢を見るぞ!!」
ツクミさんは落ち着いて対応をした
「まぁまぁ、落ち着いてください、一度奥でお話でもしましょう」
「わかった…」
案外あっさりだな…
お客さんにお茶を出しツクミさんの隣に座った
お茶をすすって落ち着いたのか話し始めた
「……あの」
「はい?」
「さっきは取り乱してすいませんでした」
「いえいえ」
「それで、単刀直入に聞きます、あの刀は生きてるんですか?」
「はい」
男性は俯いて何やら考えているようだった
それにしてもツクミさんあっさり言い過ぎだ…ある意味凄い
男性がツクミさんを見た
「なんでしょう?」
「いえ、あの、刀を返品してよろしいでしょうか…?」
「はい、構いませんよ」
「即答ですね」
男性は微笑した
「それではこちらの返品承り用紙にサインしてください、これで返品可能です」
「はい」
男性はスラスラと書き終えツクミさんに渡した
「承りました、それでは刀をお預かりします…、刀は?」
「あの…、気持ち悪くて家に置いて来たんです」
「持ってきて頂く事は可能でしょうか?」
「いえ…、出来れば、もう関わりたくないです…」
「そうですか…、それではこちらから受け取りに行っても構いませんね?」
「はい」