「アルバイト」

男性は数珠を見てビックリしていた

「これは…」

ツクミさんは無視し
矢を取り出した
矢にはお札が結び付けてあり、羽は付いていなかった

「ナオちゃん、行くよ」

「はい」

あたしは目を瞑った

ツクミさんは何やら唱えている

「破ぁっ!!」

ツクミさんの声が部屋に響いて目を開けた

矢が刀の鞘に刺さっていた

「…………」


なにも起こらない?

そう思った瞬間、部屋の中の淀んだ空気が渦を巻いて矢のお札に吸い込まれていった

それは一瞬だった

男性は訳も分からず目を見開いていた

「終わりましたよ」

刀と矢を持ったツクミさんを見た

「矢が…」

矢はボロボロ、結び付けてあったお札は灰色になっていた

「この刀の妖力を吸い取ったんだよ…、まだ真っ黒にならないだけマシさ」

「真っ黒の場合はどうなってるんですか?」

「…、大抵持ち主が亡くなっている…」

それを聞いてあたしと男性はゾッとした

男性はショックだろう
でも亡くなってないだけマシなのは確かだ



「それじゃあ、ボクらはこれで」

「はい、ありがとうございました…、あ、あの!」

返品のお金…

「申し訳ないですが、今回の費用と言うことでよろしいでしょうか?」

「あ、はい、すいません…」



あたし達はお店に戻った


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