GOONY
航一さんは6年前に町で務める為に村をでた。

僕が村を出るには、航一さんのところに下宿することが条件だった。

ご飯を食べながら昔の話、両親のこと、村の状況、他愛もない話をした。

なぎさの話になったとき、ふと蒼兄のことを思い出した。

「そういえば蒼二さんお嫁さん連れて戻ってくるとか…。」

「ん？…あぁそうだな。」

楽しげに話をしたいた航一さんは急に話を濁した。

「さて、そろそろ行くか。」

蒼兄の事はあまり触れない方が良かったのだろうか。

兄弟仲が悪いとゆう話はいつか聞いたことがあった。

村愛の強い航一さんは村の役場で村の為に努めることを希望していたが、若く活動的な航一は役場から期待を背負って町へ出向していた。

村長でもある彼の父は航一がゆくゆくはその地位を継いでくれる、そう考えているようだ。

蒼二さんは早くから村を捨てて町へ出たいとよく親父と喧嘩していたそうだ。

あまり評判が良くないことはあったが、後輩にあたる僕らには優しい人だった。

だからなぎさも…。

そんなことを考えながら、ぼーと外を眺めていた。

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