GOONY
6時の船はもう到着していた。
親や親戚が集まり船着場で談笑している。

荷物を船内に運び込み、
ひとしきりの親戚に挨拶を終えるとと最終便の案内が港に流れた。

「ついたら電話しなさい。おじさんが向こうで待ってるから、粗相のないようにな」
親父とはあんまり話さなくなっていた。
村をでるのを最後まで反対していたからだ。

「行ってきます」
無愛想に返事をすると親父の顔をあまりみず船内に向かった。

「おおー洋か!でかくなったな!今日出発だったな!」
気さくに声をかけてきたのは船長だった。

「親父さん喜んだたぞ。」
「えっ。」
「こないだ寄り合いの後飲んでたら"「息子が家を出るって言い出したんだ。
仕送りはいらないって。むしろこっちから送ってやるって…都会の生活なんてしたことがないのに…なんて馬鹿なんだ。」"ってな!なんてったて一人息子が親元離れて頑張るなんて言い出したのは初めだからて泣いてたぞ。」
「だって・・・。」

言葉を遮るように汽笛が鳴り、船は港を離れた。

急いで船尾に向かうと、
あんなにムスっとしていた親父が
顔真っ赤にしながら手を降っていた。
どうやら泣きそうなのを我慢していたようだ。
「いってきまーーす!!!!いってきまーーす!!!」
手すりをを強く握りながら大きく手をふった。


船は向かう新天地へと。

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