涙の味
「でもさぁー
俺が断るのには
訳があんだよ」
「何?」
「おれさ
好きな奴いんだよ」
「へぇ~
告白しないの?」
「あんま、話した事ねーし」
「そっか」
「でもさ、
今日そいつの事もっと
好きになったんだ」
「良かったじゃない」
「一目惚れってやつかな?」
「外見で?(笑)」
「そんなんじゃねーよ
なんてゆーかな~
素直にその子の事
綺麗って思えたんだよ
そんで、
見るたびに好きって
気持ちが段々大きくなって
行くってゆーか…」
「へぇ~」
「だから!
振り向かせるから!
お前の事!」
「へぇ~………って私?」
「うん」
「でも、
私…龍ヶ峰君の事…」
「だから!
振り向かせて見せる!
絶対に!」
「えっ!あっ、ちょ…」
「じゃーな!梨乃!
あっ!それと
俺の事は修って呼べよ!
じゃーまた明日なぁ!」
私はもう
恋なんてしない―――――
そう誓ったはずなのに…
この日360度
世界が変わったんだ…―――