涙の味
そんなこんなで
考え事をしていたら家に着いた
「ただいまー」
おかえり、とは帰ってこない
私の家は両親とも海外で働いている
まぁ、毎月お金もちゃんと届くし、もう高校生だから家事ぐらい一人で出来る
一人暮らしでこの家は
広すぎるかな…
ふと
棚の上の写真が目に映った
「優…」
この写真を見て改めて
君が居ないことを思い出すよ
「今日学校でね
優に似てる人と話したよ
修君って言うんだけどね
サッカーが上手いんだって…
…何やってんだ…私…」
これじゃ、まるで
修君の事が好きみたいじゃない
「…ゴメンね…優、約束守れるか分かんないよ」
あれだけ、
分かっていたはずなのに
大切な人ほど失うときは
大切さに比例して哀しみは増える
自分が一番分かってるはずだった
言い訳にしかならないけどね…
貴方があまりにも
修君に…
似ているんだよ。