こちらミクモ探偵事務所3

芳樹が心配そうに顔を覗き込んでくる。
紘哉は覚悟を決め、芳樹に尋ねた。

「おじさん」

「なんだい?」

「……睡眠薬ってある?」

「え?」

「ここ最近、眠れないんだ。あるんだったら分けて欲しい」

「うん、分かった。ただし――」

「用法・容量はキチンと守るから」

やってみなければ分からない。
使える手は全て使おう。

紘哉は気付かれないようにほくそ笑んだ。

< 110 / 217 >

この作品をシェア

pagetop