こちらミクモ探偵事務所3

もう一度呼び止める。
何も言わず、笑顔で振り返る芳樹。
紘哉は彼に近づくと、ポケットの中からチョコレートの箱を取り出した。

「持ってけ。箱は買ったやつだけど、中身は手作りだから」

「おぉー!ありがとう。ちょっとコンビニに行くだけなのに」

「……家族を欺けると思うな」

「何のことだい?」

惚けながら箱を受け取り、中身を出す。
そして、その一つを口の中に入れた。

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