こちらミクモ探偵事務所3

一刻も早くこの状況を抜き出したい。
幸か不幸か、何故か雄太郎と桜子は不在だった。

「紘哉くんはさ、彼女とかいないの?」

「いないですよ」

「じゃあ、いたことは?」

「……ご想像にお任せします」

意味の無い質問。
単なる興味なのか、相手の出方をうかがっているのか。

紘哉は小さく舌打ちをすると、ゆっくりと立ち上がり、ドアの方へ向かった。

< 143 / 217 >

この作品をシェア

pagetop