こちらミクモ探偵事務所3

発見、そして去る


モミの木林は駅の近くにある。
駅から警察署まで車で15分程度。
走っていくとなると、それなりの距離がある。

紘哉は必死に走っていた。

夏独特の蒸し暑さ。
額からは汗が吹き出し、徐々に体内の水分を奪っていく。
喉が渇き、口の中は鉄の味がする。
まさに満身創痍だ。

「待ってろ……!」

ここでカッコイイ言葉を吐いたところで様にならない。
それでも彼は呟くと、足を進めていった。

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