こちらミクモ探偵事務所3

外は晴天だ。
これなら芳樹も何の障害もなく、上へ行けるだろう。

紘哉は外へ出て、空を仰いだ。

その時。

「――こんにちは」

後ろから聞こえてくる低めの声。
彼は振り返る。

「いい天気だね。これなら君のおじさんも、いい気分で成仏できそうだ」

葬式に来ているとは思えないほどの楽しそうな声。
思わず紘哉の眉間にシワが寄る。

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