こちらミクモ探偵事務所3
言うんじゃなかった。
少し後悔する。
そんな紘哉に構わず、冬也は話を続ける。
「君のおじさん、オレも色々と調べたんだ。もちろん君の事も。そして周りの事も。
君のおじさんだったら、こう言うだろうなって予想しただけだよ」
「じゃあ雄太郎さんも……」
「もちろん。ただ、彼は黒蜜会の人間じゃない」
「……」
まるで紘哉の考えを飲んだかのように答える冬也。
「君とはこの先も縁がありそうだ。その時にまた会おう」
冬也はニッと笑い、紘哉の手を離す。
そして、その場を立ち去った。
やり場のない怒り。
紘哉は眉間にシワを刻みながら、冬也の背中を見送った。