こちらミクモ探偵事務所3
夏休みが終わった。
約一ヶ月ぶりの学校だ。
今年の夏休みは、あまりいい思いをしなかった。
望んでもいない一夏のアバンチュール。
気分は晴れない。
そして、ロクに勉強をしていない。
しょうがないと言われればしょうがないが、もう少しできなかったのかと自問自答する。
紘哉はため息をつくと、自分の席に座った。
「……暑い」
ボソリと呟き、本を開く。
芳樹に渡された孫紗江の本だ。
メニュー