こちらミクモ探偵事務所3

紘哉に構わず、彼はドアを開けた。
裏口だからと言って鍵を掛けておかないのは物騒だ。

「おじさん――」

「靴持って、そこの部屋に行って」

「だから――」

「あ、ついでに玄関の鍵も開けておいてくれないかい?」

「……」

意味が分からない上に、話を聞いてくれない。

紘哉は裏玄関で靴を脱ぎ、何も言わずに指差された部屋に入っていった。

< 42 / 217 >

この作品をシェア

pagetop