こちらミクモ探偵事務所3
「月によって報酬が入る時と入らないときがあるからさ。とても家族に言えたもんじゃない」
「なるほど……でも何で俺?」
紘哉が不思議そうに首をかしげる。
芳樹は本棚に近寄り、本を一冊抜き出した。
「聞いた話によると君、孫紗江のミステリー小説が好きなようだね」
「まぁ。面白いし」
孫紗江とは、最近流行している中国のミステリー作家だ。
どうやらその娘が今日本に来ているとかの噂も立っている。