こちらミクモ探偵事務所3



夜。
鈴虫の声がちらほら聞こえる。

結局今日も誰も来なかった。
紘哉は安堵のため息をつき、玄関の鍵を閉めようとしたその時。

「ごめんください!!」

ドアが勢いよく開いた。

ドアの真正面に立っていた紘哉は鼻をぶつけ、その場にうずくまる。
そんな紘哉に気遣うことなく、勢いよく入ってきた男は声を張り上げた。

「芳樹さーん!」

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