こちらミクモ探偵事務所3

すかさず芳樹が紘哉の頭をはたく。
紘哉は呻きながら頭を押さえ、その場にうずくまった。

「仮にも依頼人だよ?失礼なこと言って、報酬がもらえなくなったらどうするつもりだい?」

「いや、おじさんも十分失礼なこと言ってるよ?」

一連のやり取りを見ていた雄太郎は苦笑いを浮かべた。
そして、紘哉に向かって右手を差し出す。
紘哉は顔を上げた。

「初めまして。僕の名前は春野雄太郎。夏紀の父です」

< 63 / 217 >

この作品をシェア

pagetop