こちらミクモ探偵事務所3
嬉しそうに頷く芳樹。
少しむず痒くなり、紘哉はそっぽを向いた。
「でもさぁ……ナイフとかで脅されてたら?」
不意に狸翠が口を開く。
紘哉は横目で彼を見た。
「もしも犯人が凶器を持っていて脅していたら?
大声出したくても出せないだろ。
そこのところはどうなんだ?」
「あー……考えていませんでした」
事実なので、素直に負けを認める。
すると、彼は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
よっぽど紘哉の事が気に入らないのだろう。