こちらミクモ探偵事務所3
「取り敢えず、春野さん達に聞き込みをしよう。机上の論理は嫌いだ」
狸翠は立ち上がると、さっきの倍以上の早さで扇ぎ始めた。
「そうですね。男四人だとこの部屋もむさ苦しい」
「一応、ここら辺も警官が夏紀ちゃんを捜査している。そっちの情報も待ってみようか」
一斉に頷く。
そして、やっと腰を上げた。
ぞろぞろと移動していくなか、芳樹だけは未だにビニール袋を見つめていた。
「……おじさん?」