君を思って生きてきた。
プロローグ
「お姉ちゃんッ!オネショしちゃったぁ…。」「ハイハイ。」
いつも通りに物事が進む。時間とは不思議。

プルルルルルっ!
電話が鳴り、慌てて受話器を見る。
カタカナで書いてあるのは病院の一言。
「お母さん?どう調子?」
「えぇ…。交換剤で髪は抜けるだぁ、ヤツれるわ。嫌ねぇ、乳がんなんて!しかも末期でしょ。苦しい時はモルヒネ系の薬に替えてもらっているの。」
末期患者でこれほどテンションが上がってるのは地球上でもお母さんだけだよ。
「そうだね。治ったら又ディズニーランド行こう?」「えぇ!スター・ツアーズもイイわねぇ!」
笑えないくせに…。人は笑う。愛する家族の為に。
叶わぬ約束をして、受話器を切る。こぼれ落ちる涙にお母さんが写っていた。
「あーあ…。余命宣告されてからもう5ヶ月たったのに。
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