悪魔の花嫁

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「はあああああああああ」

っと愛士（いとし）は溜め息をついた。

初対面の時を思い出すとどうしても溜め息出る。

あの後、掃除は、狐執事が他の執事達と分担してやるとか、色々、フォローをして貰ったけれど、この二人の横暴振りは半端じゃなかった。

寝ている愛士に、突然、残っている仕事持ってきたり、夜中、突然、筋トレしたり、屋敷の掃除しろって言い出したりする鬼畜振り。

頻繁に起こるそれに、一ヶ月経った今では、愛士も、もう慣れてしまった。

あ、そうそう、ココは現世と同じように月日が流れている。

狐執事曰く、簡単に言うと、世界は３つに分けられているらしい・。

１つが人間界で人間が住む世界。

２つは天上界で天使が住む世界。

そしてココは冥界で悪魔が住む世界。

個々、別々の世界で、それぞれの月日が流れているらしい。

こんな世界が本当にあるなんて予想外だ。

そんな事を思いながら愛士が、自分の部屋へ戻ろうと踵を返した時、「愛士～～！！！」っと必死に叫ぶ『小姑』の声が聞こえた。

何やら、空中飛行を妨げるものがあるらしい。フラフラしながら飛んでくる。苦しそうだ。

それでも、頑張る『小姑』を愛士は胸に受け止めた。

調子の悪そうな感じに「どうしたの？」っと心配しながら覗き込むと、その小さな手には探し物の『ペンダント』が握られていた。

「あああああああああああ！！！」

愛士は感激のあまり、『小姑』を落とす。でもちゃっかりとペンダントは受け止めていた。

「痛ああああああああああい！！！」

頭から落とされた『小姑』は不満の声をあげながら頭を擦る。

「人がせっかく探して来て上げたのに、何この酷い扱い！！！！！」

赤い頬をプゥっと膨らませて、迫る『小姑』の迫力に、愛士は汗を垂らしながら、素直に謝った。

「ゴメンってば！ありがとう、助かったよ『華』」

そう呼んで、彼女の頭を撫でる。

美少年である愛士の甘い微笑みに、『小姑』である『華』は、もうッと言いながらも絆されてしまう。

「でも何処にあったの？」

愛士は部屋中、くまなく探しても全然見つからなかったのにっという顔をして華を見た。