悪魔の花嫁
彼女は倒れたままの葉弥の胸倉を掴み、引き寄せる。

「親の金盗むか、身体でも売って稼ぐか、色々できるだろ・・・?」

そう言うと落ちた、葉弥の鞄を漁りだした。

財布を取り出し、金を探る。

「ちッ・・、5千円かよ・・」

空の財布を葉弥に投げつけ、彼女達は、もう、葉弥などいないかのように楽しそうに話し出し、歩き出す。

「なんだあいつらーーー!!むかつくぜ!!!あんな、古臭いイジメしやがって!!!!」

怒る愛士の後ろで、冷静に、華が呟く。

「でも、これで分かったわね、多分・・彼女の死因はイジメによる、自殺・・・。」

華の言葉に、ハッとして愛士は振り返った。

脳に浮かぶのは、12月10日・・11時34分26秒・・。

明後日、この、非の無い彼女に鎌を振り落とさなければならない。

葉弥は立ち上がると制服についた砂を払った。ジンッとした痛みが足に感じる。

「痛・・・。」

膝が擦り剥けて、血が出ていた。

葉弥は持っていたハンカチで血を拭き、カットバンを傷に張ると、さっきと同じ暗い顔をして帰路についた。

その作業は当たり前のように行われていて、自然過ぎるのが不自然だった。












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