悪魔の花嫁
泣きたくなったこんな優しい子が死んでしまうなんて・・・

夢を適えずに・・・。

葉弥は、ポンポンっと愛士の頭を叩く。

「大丈夫、えっと・・何君?」

「い・・・」

「ん?」

「愛士。」

「綺麗な、名前だね。」

静かに嬉しそうに微笑む葉弥が眩しかった。

「またね!愛士君!!」

気が付いたら葉弥の部屋の中だった。

葉弥は規則正しい寝息を立てて寝ている。

愛士の瞳から無数の涙が溢れ出て、止まらなかった。



――――――――



「いーーーーとーーーーしーーーーぃ」

怒り狂う華の頭に、今は角があってもおかしくないと思う。

「ごめん・・・。」

しかし、そんな華に怯える事もなく、愛士は、静かに謝る。この落ち込み方はひどかった。

華は、いつもと違う愛士に、ふぅっと、溜息をつく。

「愛士・・。花嫁の掟には『リスト者と関わってはいけない』と書いてあったはずだけど。」

華の言葉に愛士はコクンっと頷く。

「まったく・・。」

華はそう言って愛士の腕を引っ張った。

「何?」

突然、天に向かって飛ぶ華の行動に愛士は動揺する。

「今回の事、バレてるから。一度、魔界に戻って来いだって」

その言葉には、愛士も青くならざえるをえなかった。





















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