悪魔の花嫁
12月9日。

「ね!次って調理実習でしょ!楽しみだね」

体育を終えた女子達が着替えを終えて更衣室から出てくる。

葉弥はゆっくりと着替えていて、いつの間にか最後になっていた。

コレはわざと・・。葉弥はこの、更衣室の静かな空気が好きだ。

閉められたカーテンから入る日差しや、遠くから聞こえる皆の声が心地いい。

その心地よさに癒されていると、更衣室のドアが開き、あの・・、葉弥を虐めていた彼女達が入ってきた。

「よッ!葉弥!!金持ってきた???」

馴れ馴れしく、葉弥の肩に手を回し、顔の前に手を差し出す。

葉弥はその手を見つめながらフルフルと首を振った。

反抗的な葉弥に彼女達は舌打ちをする。

「てめぇ・・・。いい加減にしろ」

そう言って、力一杯、葉弥を突き飛ばした。

小さい身体がバンッと音をてて壁にぶつかり、そのまま、床に倒れこんだ。

葉弥はそのまま動かない。

さすがに彼女達もまずいと思ったのか、葉弥に駆け寄った。

取り合えず、息を確認する。気を失っているだけだ。

「びびったーー、打ち所悪くて死んだかと思った。」

息をしている葉弥に安心したのか、彼女達はニヤリと笑った。

「なぁ、知ってるか、今日、男子更衣室使えないから、ココ、使うんだって」











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