悪魔の花嫁
少年のあまりの驚きように狐執事は呆れたようにため息を付いた。

「当たり前でしょうが、よく考えれば分かるでしょう。『死神』一人でどうやってくんですか・・・。まぁ、最近はすぐ、転生を望まれる方が多くて、あなた以外には後、お二人しかいません。」

「二人・・・、そうなんだ・・・。」

「ええ、昔はもっと居たんですけどね。」

狐執事はどこか寂しそうに呟く。

「ねぇ!二人は何処に居るの?」

「この、屋敷に住んでいますよ。そのうち、お会いできるでしょう。あなたもこの屋敷に住む事になりますから、この部屋をお使いください。」

そう、言われて、少年は部屋を見渡す。

洒落た洋室だ。シャンデリアも、ソファも高級品だろう。ベットだって、フランスベットみたいで質がいい。

1ルームだが、30畳くらいはあるんじゃないだろうか。

生きている時より贅沢だ。

部屋に見入っていると、狐執事が思い出したように話し出す。

「そうそう、『花嫁』には『小姑』が付いています。」

「はぁ??」

「ブレスにキスをして下さい。」

「へ!?」

「いいから!!」

戸惑う少年に、狐執事は手加減無し。時間が勿体無いというかのように、動物本来のジャンプ力で飛び上がると、少年の頭上にドスンと、胡座をかいた。

そのお陰で、少年は無事ブレスとキスをする事は出来た。

すると、ブレスが光だし、ボール状の光の玉が目の前に浮かび上がってきた。

ホワホワと浮かび、淡い黄色い光を放つ。

少年はそっとそれに触れた。

光の玉はパチンッと弾いて消え、中から赤ん坊くらいの大きさの少女が出てきた。

ウェーブの掛かった金色の髪が、さっきの光みたいに眩しい。

少女はスッと瞳を開ける。

蒼色の瞳が少年を見つめた。

見た目、西洋風の少女なのに何故か服装は着物だった。

「こんにちは」

少女はニッコリと笑う。

狐執事が少年の頭上からピョンっと飛び降りる

「この少女が『小姑』です。、まぁ、いわゆる、『使い魔』です。」

「へぇ・・・」

少女は少年の肩に乗る。

(可愛いかも・・)

「ねぇ、あなたの名前は?」
























































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