悪魔の花嫁
「あ、俺は・・・」

名を告げようとしたその時、バンッと勢いよく、部屋の扉が開かれる。

扉の向こう側には、今後知る、あの冷酷な二人が立っていた。

「新入りだってぇ~」

馬鹿にしたような言い方で、体育会系の彼がズカズカと部屋に入って来る、その後ろから秀才系の彼が静かに歩いて来ていた。

これが少年と青年二人の初対面の時だった。

体育会系の彼は、値踏みするように少年を一通り見ると、目線を狐執事に移す。

「おい、こんな、ひょろいガキで大丈夫なのか?」

胡散臭そうな顔して、狐執事に言う。初対面から失礼な奴だ。

少年は、ムッとしたが、警戒心から反論はせず、取り合えず、無言のままでいた。

気に食わない様子の彼はまた、目線を少年に移す。

ゆっくりと少年を眺めながら自分の顔近付けてきて、「お前・・女?男?」っと言いうと、いきなり布団を剥がし、彼は少年の股間を思いっきり掴んだ。

ムギュッと音が聞こえそうなくらい強く。

その瞬間、少年は全身蒼白になった。

「んぎゃああーーーーーーーーーーーー!!!」

っと少年の悲鳴が屋敷中に響き渡る。

「ななな・・・この変態!!!!!!」

「ちッ、男か・・。」彼は自分の手を見つめながら、覚えのある感触に舌打ちする。

「バッ!!バッカじゃねーの!見れば分るだろ!!!」

顔を真っ赤にして、叫ぶ少年に、彼は、素知らぬ顔で、答えた。

「わかんね―よ、だって、お前、女顔じゃん♪」

その、にやけた笑い顔、絶対確信犯だ。

確かに、少年は自分の顔が、女っぽいと思う。が、女と間違う程じゃ無い事だって知っている。

つまり、中性的という事。

イメージ的には、ボーイッシュな少女みたいなところだろうか。

女性にも男性にもいそうって良く、言われていた。

その為か、少年は、この丸い大きな瞳がちょっとコンプレックスだった。この瞳が切れ長の鋭い瞳だったら、見た目は完璧な男だっただろう、そう、この撫失礼な彼みたいな瞳だったらね。





























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