カラット【短編】
―5月―
去年からいつもどおりのっていた電車
いつもあの子見かけるな…
そんな小さな思いからだった
俺は電車にのるたび彼女を
探していた。
この頃
だんだんといつも乗る人の顔を覚えてくる。
バーコードのような頭のおじさん
制服をきた小学生の軍団
背の少し低いバスケ部らしい高校生
だんだんどこに立つかどこに座るか決まってきていたようだ
彼女は電車の連結する部分の近くにいつも立っていた