彼はスター
沈黙が続いた。
息づかいが聞こえてきそう。
「ゴメン、かけ直す。」
そう言って一方的に電話は切れた。
ピンポーンと家のチャイムが鳴った。
もしやと思いながらモニターを見ると見慣れた彼の顔があった。
そしてズキンと胸が痛んだ。
あれ?なんか悪いことしてる?
翔君はたただの友達。
面倒くさくて居留守してしまった。
電話も来たげど出なかった。
彼とは6年の付き合い。
同い年で、高校の同級生で大学生の時に交際が始まった。
名前は将大。
時間がすれ違って近頃はなかなか会えない。
会えなくても平気な自分がいた。
将大も同じかもしれない。