彼はスター
「もう終わりにしよう。」
将大が言った。
私はキョトンとなる。
「終わりって?」
つい聞いてしまった。
「美緒、俺 好きなコがいるんだ。
美緒とはすれ違って全然会えないし。
それに俺なんかいなくても平気だろう?」
あたしは何を言われてるの?
ああ、そういうことか。絆なんてなかったんだ。
あたしの知らないうちにとっくに壊れてたんだ。
信頼してた、あの眼差しはもう私を見てなかったんだ。
「平気じゃないけど。そういうことなら仕方ないね。」
なるべく平静に、明るく話そうと努めた。
「美緒とだと将来が見えなくて。そろそろ結婚もしたいし。」
「結婚したいから別れるの?」
思わず聞いてしまった。
「結婚したいコが出来たから。」
「ふぅん、ああ、そう。付き合う前から結婚考えてんだ。」
ってあたしが言ったら将大は信じらんないこと言った。
「もぅ付き合ってる。去年の春から。」
それって二股じゃないの?