彼はスター
その時翔君が入ってきた。ガサガサビニール袋を下げている。
「あ、おはよう。起きたんだ。気分はどう?」
翔君は至って爽やか。
「あの、私はなぜここにいるのでしょう。」
私が言うと翔君は笑った。
「アハッ覚えてないんだ~!美緒ちゃんがどうしても絶対帰りたくない!って言うから連れてきたんだけど。」
翔君は私の真似をしながら言った。
その物まねに笑って応えられる程余裕はなくて。
「昨日の事、全然覚えてないの。」
あたしは泣きそうになりながら言った。
翔君も顔つきが変わった。
「ライブが終わって、
あたし彼氏にフラレタんだ。」
それ以上思いだそうとしても頭が働かない。
何だろう。