彼はスター
翔君、なんていい人なんだ。
翔君に渡された水をゴクリと飲んだ。
あたしはソファーに腰かけた。
お酒のせい?頭がフラフラしてる。
翔君、昨日のライブ来てくれてたんだ。知らなかった。
将大のことなんて忘れよう。
あんな裏切り者、あんな最低な奴だったなんて。すぐ忘れよう。
涙をこらえながら500mlの水を飲み干した。
新しい恋をしよう。
そう考えながら、袋から品物を取り出す翔君をみた。
自分で笑っちゃう。翔君はナイな。
家着なのか、普段よりラフな格好してるけど。それでもすごいキマッテる。
あたしと違いすぎる。
「あ、やっと笑った。なにがおかしいの?」
翔君が言った。